2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

戦時下の音楽

■ ここのところ、ハインリヒ・シュッツの「わがことは神に委ねん」SWV.305を繰り返し聴いている。クラシックはそこそこ聞きかじってきたつもりだったが、まだこんな凄い曲もあったのだ。正直、びっくりしている。 シュッツは、敬愛する師ジョヴァンニ・ガブ…

『少年満州讀本』『ペトロフ事件』『ほんほん蒸気』

■ ここはあくまでも気になったことを書き留めておく場所、まとまったことは書かないという決め事を自分に課していたはずなのに、早くも脱線気味。 ■ 昭和13(1938)年、日本文化協会の委嘱により作家の長與善郎が著した『少年満州讀本』の復刻版を読む。内地…

ラスキン文庫

■ ちょっと前の話になるけれど、世田谷美術館でみた濱谷浩の回顧展でのいちばんの収穫といえば、1930年代の東京を撮った写真のなかに「ラスキン文庫」をみつけたことだった。落ち着いた書斎風の一室にくつろぐ数人の男女。あらためてじっくり確認したいとこ…

アヴェ・ヴェルム・コルプス

■ モーツァルトが、死の年に書いた作品のひとつに「アヴェ・ヴェルム・コルプス」がある。わずか46小節、演奏時間にして4分足らずの合唱曲である。この曲の、もはやこの世のものとは思えない清澄な旋律を耳にするたびぼくは、モーツァルトの魂はこのときすで…

迎賓館、レーモンドと教文館、橋63

■ ほとほと迎賓館には縁がない。抽選には毎度ハズレる、先着順の一般公開と聞き地下鉄に飛び乗れば、すでに午前11時の時点で3,000枚の整理券の配布は終了したという。それでも、お目当ての「噴水池」だけでもゆっくり観られればと思ったら、「噴水池」がある…